【2025年】技能実習制度で外国人介護人材を受け入れるには?特徴・メリット・課題・他制度との徹底比較

介護業界の深刻な人手不足を補うため、外国人材の活用が急速に進んでいます。その中でも長年活用されてきた制度が「技能実習制度」です。技能実習制度は、日本の優れた介護技術を学び、母国に持ち帰る「国際貢献」を目的としており、2017年から介護分野も正式に対象職種となりました。本記事では、技能実習制度の仕組みから受け入れ手続き、現場での活用状況、他の在留資格との違い、さらには導入の際のメリット・課題まで、介護事業者の視点で徹底解説します。

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技能実習制度(介護分野)とは?

技能実習制度は、日本が開発途上国の若者に対して技術・知識を提供することを目的とした国際貢献型の制度です。2017年11月に介護分野が対象に加わり、外国人技能実習生が介護施設にて基礎的な業務を行えるようになりました。技能実習生は1〜3年をかけて段階的に学び、母国へ帰国して技能を活用します。

技能実習制度(介護)の受け入れの流れ

  • 1. 政府認定の送り出し機関と契約
  • 2. 候補者の選定と約半年間の日本語・介護研修
  • 3. 日本へ入国後、1か月間の講習を受講
  • 4. 第1号技能実習(1年)を開始
  • 5. 試験合格で第2号技能実習(2年延長)へ移行、最長3〜5年間の実習が可能
  • 6. 実習修了後、原則は帰国。ただし条件を満たせば特定技能1号へ移行可能

技能実習制度の特徴

① 技術移転を目的とした制度

技能実習制度は日本国内の労働力補填ではなく、あくまで発展途上国への技術移転が主目的。そのため、制度上は長期的な雇用継続は想定されておらず、実習後は帰国が前提となります。

② 受け入れには監理団体が必須

介護施設は監理団体(中間支援機関)を通じて実習生を受け入れます。監理団体は、実習生の生活支援・労務管理・教育指導などを担い、その質によって実習生のモチベーションやパフォーマンスに大きな差が出ます。

③ 介護福祉士資格は不要

技能実習制度では、実習生に介護福祉士資格は必要ありません。主に食事・排泄・入浴・移乗などの身体介護や生活援助など、基礎的な業務に従事します。

④ 対象国はアジア圏が中心

対象となる送り出し国は、ベトナム・インドネシア・フィリピン・ミャンマー・カンボジアなどのアジア諸国で、二国間の政府協定が結ばれている国に限られます。平均年齢は20〜30代前半の若年層が中心です。

技能実習制度のメリット

① 導入ハードルが比較的低い

制度運用歴が長く、監理団体を通じた受け入れ体制が整備されているため、初めて外国人材を導入する施設でも比較的スムーズに開始できます。書類手続きや研修内容も標準化されています。

② 意欲的で若い人材が多い

選抜された人材は、介護業務に対する高い意欲を持って来日します。若年層中心のため、体力面での適性も高く、現場業務にも早期に順応する傾向があります。

③ 費用が明確で導入しやすい

監理団体を介した費用体系が明確で、初期費用や月額の管理費用も他制度と比べて比較的リーズナブルです。コストパフォーマンスの良さは施設経営においても魅力です。

技能実習制度の課題・デメリット

① 長期雇用には不向き

制度の前提が「帰国」であるため、長期雇用を目的とした人材確保には適していません。特定技能制度への移行を行う場合も、本人の希望や手続きの煩雑さなどの課題があります。

② 日本語力に個人差が大きい

来日前の教育水準が国・機関ごとに異なるため、実習生の日本語レベルにはばらつきがあります。現場での指示理解や利用者との会話に課題を抱えるケースもあります。

③ 監理団体による品質の差

監理団体によってサポートの質が大きく異なります。実習生の生活管理、指導力、トラブル対応力などを比較し、信頼できる団体を選ぶ必要があります。

他制度との比較

制度 対象国 必要な資格 在留資格 家族帯同 特徴
技能実習 ベトナム、フィリピンなど なし(介護福祉士資格不要) 技能実習 不可 若手中心、3〜5年、帰国前提
EPA インドネシア、フィリピン、ベトナム 介護福祉士試験合格 介護(合格後) 国家試験必須、定着率が高い
特定技能 全世界(試験合格者) 日本語試験・技能評価試験 特定技能1号 不可 即戦力、5年、移行制度あり
在留資格「介護」 全世界(介護福祉士資格保持者) 介護福祉士 介護 長期雇用可、家族帯同可能

まとめ

技能実習制度は、外国人介護人材を初めて受け入れる施設にとって導入しやすい制度です。若く意欲的な人材を受け入れやすく、導入コストも明確です。一方で、制度の特性上、長期的な人材確保やキャリア形成には不向きな面もあるため、特定技能や在留資格「介護」など、他の制度との組み合わせも検討が必要です。施設の方針や受け入れ目的に応じて、最適な制度を選定しましょう。

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